こんにちは、ダイナテックプラス代表の荒井謙光です。
草野球チームすら組むことも叶わない小さな所帯の我が社ですが、健康維持やリフレッシュのためにゴルフ部を作り、細々ですが活動を奨励しています。ゴルフは世代を問わずビギナーもベテランも一緒に楽しめますし、全速力で走ったり人とぶつかり合ったりといった事がないですから、怪我をしてお客様に迷惑をかけるリスクが少ないのも、会社のみんなで楽しむには最適のスポーツだと思います。
何より、私、実は10代半ばから20代前半の多感な時期のほぼ全てをゴルフ(とパチンコとバンドと洗車と、、、)に費やしていまして、当時はプライベートでは 67 というベストスコアも出していましたから、社員に技術的な質問をされればそれなりに答えられますし、ゴルファーが集まるバーで酒の肴になるようなマニアックな話もできるんです。(試しに、私の名前をググって見て下さい。日本ゴルフ協会のデータベースに、日本学生選手権 – 予選落ち、の輝かしい戦績が記録されています。。。)
逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、、、握ります、僕が握ります
さて、ゴルフの話題は初めてとなる今回は、クラブの握り方「グリップ」についてお話ししたいと思います。
ゴルフでは太古の昔から、正しいグリップは上達の基本と言われてまして、上級者やプロでも悩む人が多いほど奥が深いものでもあります。
そしてゴルフ経験者の大半が、先輩ゴルファーからヘンテコ独特な握り方を教えられてキーッ!となった経験があるかと思います。が、そもそも、ゴルフではどうしてあんな奇妙キテレツな握り方をするのか、そして、何が本当に正しい握り方なのか、、、を考察したいと思います。
あなたは死なないわ、私が握らせるもの
ゴルフのグリップは、握り方のスタイルによって「インターロッキング」「オーバーラッピング」、握る角度を表す「ストロンググリップ」「ウィークグリップ」、握る深さを表す「フィンガーグリップ」「パームグリップ」、、、と、名前の多さからも、いかに古今東西の先人たちが悩まされてきたか想像できます。
では、そんな重要なグリップについて、私がビギナーにゴルフを教える機会があった時はどう説明するかというと、、、まずは何も考えずに、以下のルーティンをやってもらいます(これ、私もグリップに違和感があると、今でもやるルーティンなので、経験者の方も悩んだ時は試してみて下さいね)
- 身体の真正面でヘッドを真っ直ぐに立ててクラブを握ります
- 剣道の様に、2-3回えいっえいっ、と縦にクラブを振ります
- そのままヘッドを地面にぽんっと置きます
実は、グリップも含めて、この時の身体の状態が、その人にとって一番ニュートラルな、理想の構えなんです。そしてこの時に、ゴルフ未経験の人はほとんどが「ベースボールグリップ」、、、いわゆる、野球のバットなど、ただの棒っきれを握るときの形で握っているんですね。理由は簡単、それが人間にとって一番「棒っきれを動かしやすい形」だからです。
ですから私の考えでは、ビギナーのうちは細かい形にこだわるよりも、まずはクラブを「早く」「大きく」動かしやすくして、球をかっ飛ばす感覚を味わって欲しいので、ベースボールグリップを勧める事が多いです。
逆に、経験者の方も「今日はヘッドの走りがイマイチだなぁ」と感じる時は、あえてベースボールグリップで打ち、クラブが走る感覚を思い出すのも、お勧めのメソッドですよ!
どんな顔すれば良いかわからないの。握れば、いいと思うよ。
そもそも、ゴルフ経験者はなぜあんなヘンテコな握り方をするのでしょうか? 理由は「地面の球を打つから」と、「手を動かしたくないから」の2つなんです。
ゴルフはスコアを競うターゲットスポーツですから、上達すればするほど、球をかっ飛ばすだけではなく、狙った場所へ打つ精度が必要になってくるので、極端に言うと、ロボットのように毎回正確な動きを再現できるのが理想になります。(実際、トッププロの再現性の高いスイングは、見ていて惚れ惚れしますね。。。)
その時にまず障害になるのが、ヘッドを地面に置いた時の「左右の手の位置の違い」なんです。
例えば、こうしてクラブを身体の正面で握ったり、身体の正面で手を合わせただけですと、全ての部位が対称形になるので、シンプルに円運動を再現しやすいのですが、クラブを握ってヘッドを地面に置くと、、、こうして右手が下になる分、身体を真正面に保つためには、右肩を下げたり、クラブを斜めにしたりして、どこかの部位で帳尻を合わせる必要があるんですね。
クラブを綺麗に円運動させようとした時に、この「構えの歪み」が邪魔になり、身体の動きを複雑にしますので、少しでも左右の手の高さが変わらないように、、、と考え出されたのが、手の一部を重ねる、あのヘンテコな握り方の正体なんです!
次に、ゴルフの動作に慣れてきてスイングスピードが上がって来ると、飛距離は伸びますが、それと同時に、軌道がブレた時の球の曲がりも大きくなります。一定以上のスイングスピードになると、器用に動いてしまう手首や指先の動きが、軌道のブレの原因になるのですが、それを防ぐ効果も、あのヘンテコな握り方にはあるんですね。
こうして(ベースボール)握ると、広い範囲で力が伝わるので、クラブは動かしやすいですが、こうして握ると(インターロッキング)、力が伝わる範囲が狭くなるので、クラブは動かしにくくなるんですよ。
上級者になると、こうしてわざと手を動きにくくして、その分、身体全体を捻る動きでクラブを振る事で、方向性を高めるんです。
ただ私の考えでは、この2つの効果が必要になるのは、アスリートの様な有り余る筋力があって、難関コースを攻めるような精度が必要な一部のプレイヤーだけで、多くのエンジョイゴルファーには逆効果だと思っています。
それよりも身体の動きに制限を与えず、できるだけニュートラルな状態で、クラブを大きく早く動かす事を意識した方が、上達は早いと思っています。
私をニギりに連れて行って
ゴルフを始めたものの思う様に上達しない方も、さらにレベルアップを目指す方も、先人たちの教えの通り「グリップ」が鍵を握っているのかも知れませんね!
握り方ひとつでこんなにウンチクがあるなんて、やっぱりゴルフは奥が深くて、面白いスポーツですね!
荒井謙光