こんにちは、ダイナテックプラス代表の荒井謙光です。
商品に関する記事もようやく登場し、いよいよそれらしくなってきた本スタッフブログ。さて、私も今週こそは真面目な記事を、、、と思ったのも束の間、何気なく弊社サイトのアクセス数を眺めていたら、どうやら、前回の「洗車道具編」の記事が意外と多くの方に読んで頂けていた様なんです。
そうなると、昔から周りに乗せられてしまうと弱い私、「道具のお話だけじゃぁ物足りないですよねぇ」と期待にお応えしたくなります。そこで、前回ご紹介した「基本洗車道具セット」が実際にどの様に活躍するのか、「実践編」をお送りしたいと思います。
愛深きゆえに、傷つくふたり
「洗車」と聞くと、多くの人は豪快に車の屋根から水をぶっかける光景を思い浮かべると思いますが、洗車には正しい順番があるんですよ。別にそんな大層なもんじゃないんですが、「汚れのひどい場所から」と「なるべく下から」が基本になります。これを守らないと、せっかく愛車を綺麗にしようと思って洗車しているのに、かえって傷をつけてしまう事になるんです。そんなすれ違いは切ないですよね。
この歳になると、対人関係で負う心の傷にはビクともしなくなりますが、車が傷つくのはいつでも心締め付けられるのです。そんな私が、車のダメージを最小限にするために、25年かけて到達した究極の手順をご紹介します。
さぁ、洗車と共にあらんことを
- タイヤ(ホイール)
「汚れていて」「下にある」といえば、いの一番に着手するのはタイヤからです。ファッションと一緒で、車もホイールが綺麗なだけで三割ぐらい印象がよくなります。
お店ではホイールの洗剤もたくさん売っていますが、タイヤの汚れは大半がブレーキから出るダストですから、スポンジでの水洗いだけで十分なんです。それよりも長い間放置してダストを固着させない事の方が大切なんですよ。一度固着してしまうと、ホイールの表面も一緒に腐食が進んでしまいますので、洗剤やケミカルを使っても結局落ちなくなってしまうんですね。
アルミホイールでしたら、外側のスポーク部分だけではなく、写真のようにホイールの内側にもスポンジを突っ込んで綺麗にするのがコツです。ここが綺麗だと、さらに印象が二割アップ!
- フロントガラス磨き
次は毎回必要ではないですが、フロントガラスのメンテナンスです。雨の日に油膜で視界が悪くなったり、撥水の効果が弱くなってきた時は、ガラスコンパウンドで油膜や古い撥水コーティングを綺麗に落として、リセットしてあげる必要があります。
ここでは、水垢を防ぐためにボディーにはなるべく水がかからない様に作業するのと、写真のようにガラスに「べたー」っと水がなじむ状態になるまでしっかりと油膜を落とすのがコツです。こうしておくと、洗車後に塗る撥水コーティングが良く効いて、長持ちするんですよ。
- 水と洗剤を準備
さて、ここまで来るとようやく洗車らしくなってきます。ボディ洗いに備えて、バケツに水と洗剤を用意しましょう。まずは、バケツにホコリや砂利などが入っていては、ボディーを傷つけてしまいますから、バケツを軽く洗います。タオルやスポンジにも砂利が付着していないかチェックしましょう。(洗車用のスポンジやタオルは、地面に直接置いちゃダメですよ!)
晴れた日の洗車ほど、洗剤洗いの後は水垢の付着を防ぐために、「1秒でも早く拭き上げる」事が求められるので、このタイミングで水拭き用のバケツとタオルを準備しておく必要があります。ボディが濡れた後にのんびりタオルを準備していると、怖〜いイオンデポジットが。。。あゝ、洗車マニアはこの単語を口にするだけで背筋が凍るのです。
洗剤は、ボディーの汚れを優しく落とすために、できるだけ細かいクリーミーな泡を立てる事が大切です。写真の様に、シャワーヘッドを水面ピッタリぐらいに保持すると、ギネスビール並みのクリーミーな泡に仕上がりますよ!
- 洗剤洗い(下周り)
いよいよ洗剤洗いですが、ここでも基本は「下から」です。まずは、サイドスカート、タイヤハウス、前後のバンパー付近など、下周りで汚れのひどい所を落としていきます。洗剤洗いをする部分だけに水をかけ、スポンジで優しく汚れを落とし、すぐに洗剤を落とす、、、これを、下周りぐるっと一周行います。
ポイントは、この時点でもボディの上側はまだ濡れていないという事です。こうして水垢の付着を防ぐ事が大切なんですね。夏の炎天下での洗車なんかですと、ボディに付いた水があっという間に乾いて、すぐに水垢になってしまいますからね。
- 洗剤を作り直す
汚れの多い下回りを洗うと、バケツの中の洗剤に小さな砂利などが混ざりますから、ここで、余った洗剤は一度捨てて、バケツの中もさっと洗って、洗剤を作り直します。さあ、クリーミーにリセットされた泡で、いよいよメインイベントに挑みましょう!
- ボディー洗剤洗い(側面、後ろ)
ボディー洗いでも、まずは側面からです。屋根とボンネットは濡れてしまうと水滴が落ちにくいですし、晴れていると日光が直接当たって水滴が早く乾いて水垢になってしまいますから、本当に濡らすのは一番最後なんですね。
側面にたっぷりと水をかけて大きな汚れを流したら、まずはドアの上あたりから、スポンジでクリーミーな洗剤をたっぷりとぶっかけます。その後、さらに洗剤をたっぷりスポンジに含ませたスポンジで優しく洗い、すぐに水で流します。これを、側面、後ろ、反対の側面、、、とぐるっと行います。
鉄粉が気になる場合は、ボディが濡れたままのこのタイミングで鉄粉除去剤を塗って、洗剤洗いをもう一度行います。
- ボディー洗剤洗い(上面)
さぁ、ここで今まで我慢して溜まった鬱憤を一気に爆発させましょう! 天井とボンネットに豪快に水をかけて大きな汚れを落としたら、洗剤をたっぷりぶっかけて、スポンジで心のままに愛でてあげましょう!
シャワーで洗剤を流す時には、すでに綺麗になっている側面や後ろ、下回りなどが乾かない様に、一緒に水をかけて水垢を防ぎましょう。鉄粉除去も必要ならここでやります。
- 拭きあげ
ようやく鬱憤が晴れた所で、ここは洗車の一番の腕の見せ所です! 特に晴れた日の洗車では、水垢の付着を防ぐために「1秒でも早く」拭き上げる事が大切です。
基本は一番乾くのが早い天井とボンネットから。洗うのと逆で、「上から」「側面へ」そして「下回り」の順番になるんですね。ここではケチらずに、なるべく厚手で吸水性の良い新しめのタオルを使うのも大切です。この時ばかりは、赤子が泣こうが、妻から電話で呼ばれようが、絶対に手を止めてはいけないのです!
この時にちょっと古めのタオルも使って、ドアやガラスの内側も拭いて綺麗にしておく様にしましょう。
- フロントガラスコーティング
忙しい拭きあげを終えたら、あとは余韻に浸りながらのんびりと作業ができます。ガラス磨きをした場合は、撥水コーティングをします。これは CM でやっている通りヌリヌリして、乾いたら水拭きするだけですから簡単ですね。豆知識ですが、縦にヌリヌリした方が、横やナナメよりも水滴の飛びが良いんですよ。
- タイヤワックス
最後に、タイヤワックスを塗って足元を引き締めたら、楽しい洗車も終了です! タイヤワックスはホイールに付くと汚れになって目立ちますから、直接スプレーせずにスポンジに取って塗り、ホイールに垂れてしまったら拭き取るようにしましょう。
- 心ゆくまで愛車を愛でる 〜You are beautiful, it’s true
この旅を終えた時、あなたの目の前には美しく生まれ変わった愛車が微笑んでいるはずです。真夏の洗車では、パンツまで汗でびしゃびしゃになり、帰り道はどうしよう、、、などと途方に暮れる事もありますが、輝く愛車の姿の前では、そんな事も全く気になりません。あなただけの為に存在する美しい愛車を、心ゆくまで愛でて下さい。
いやー、車って本当に楽しいですね! 安全かつ力強く走るメカニズム、繊細なデザイン、どこを取ってもとんでもなく優れた工業製品だなーと実感します。自動車製造に関わる方達には本当に感謝ですし、弊社も装置の提供を通じて、微力ながら自動車製造をサポートできる機会がある事が、たまらなく嬉しいですね!
荒井謙光