インダストリー4.0 って最近よく耳にするけど、イマイチ意味が分からない。。。誰か分かりやすく教えて!
こんな悩みにお答えします。
・本記事の内容
・インダストリー4.0 とは ・インダストリー4.0 が必要な理由 ・インダストリー4.0 のメリット
・本記事の信憑性
・執筆者: 荒井謙光(テクニカルセールス、代表取締役) ・Ersa 日本総代理店として約15年活動 ・国内外100社以上のお客様製造現場をサポート ・Ersa ドイツ本社のほか 50ヵ国以上のスタッフ/エンジニアと交流
目次
1、インダストリー4.0 とは、ドイツが進める国家戦略 2、インダストリー4.0 が必要な理由 3、インダストリー4.0 についてもっと知ろう ・今はインダストリー3.0 から 4.0 への過渡期 ・インダストリー4.0 になるとどうなる? ・インダストリー4.0 を進めるための設備とは? ・インダストリー4.0 を進めるメリットは? 4、まとめ: インダストリー4.0 とは、ドイツが進める設備の自律化
1、インダストリー4.0 とは、ドイツが進める国家戦略
インダストリー4.0 とは、ドイツ政府が主導で進めている国家戦略の一つで、設備の「自律化」によって、主要産業である工業製品製造分野の競争力をさらに高める事が主な目的です。
難しい文献だと「スマート化」「インテリジェンス化」と書いてありますが、シンプルな言葉でしっくり来るのは「自律化」かなと思います。
2、インダストリー4.0 が必要な理由
ドイツは日本と同じ工業技術立国で、人口、国土面積、そして国民性も非常に似ていて、内需縮小や高齢化など、抱えている課題まで非常に似ているんですね。
インダストリー4.0 を推進する背景には、リーマンショックの教訓から輸出向け工業製品の競争力をさらに強化する必要がある事と、もう一つは、労働力の減少により、製造工程だけではなく、資材の調達や物流などを含めた、産業システムや社会システム全体の効率化をしなければならない状況があります。
3、インダストリー4.0 についてもっと知ろう
今はインダストリー3.0 から 4.0 への過渡期
今はインダストリー3.0 から 4.0 への過渡期です。現在のインダストリー3.0 で製造工場の高度な自動化が進んだとはいえ、それは主に「設備単体」での自動化です。
SMT ラインで言うと、プリンター、チップマウンター、リフロー装置などが、それぞれ単体で自動運転され、前後の設備とは基板の出入りの制御だけが行われ、情報の交換まではされていない状態です。
インダストリー4.0 になるとどうなる?
インダストリー4.0 の第一歩は、製造ラインの設備同士が情報交換をしたり、上位の制御システムが監視する事で、生産ラインの情報を一気通貫で管理し、その情報を元にして機械が次にやるべき動作を「自分で判断する」事が目的になります。これにより、曖昧な「人間の判断」によるトラブルや品質バラツキなどのリスクを減らす事が出来るんですね。
インダストリー4.0 を進めるための設備とは?
インダストリー4.0 を進めるための設備として重要な性能は以下の2つです
・自律運転の判断材料となる「情報収集」機能
・収集した情報を様々なシステムと交換するための「通信機能」
もちろん、Ersa の製品にも インダストリー4.0 を見据えた機能が多数搭載されています!
インダストリー4.0 を進めるメリットは?
インダストリー4.0 を進めるメリットは、もちろん自律運転によって品質も生産効率も上がる事ですが、最も重要なのは、生産中に収集される情報の数や質が向上することで、それらの情報そのものが製品の付加価値となる事だと思います。
製品一つ一つに、「いつ」「どこで」「どんな条件で」製造されたかの情報が付加されることで、品質の証明書(=トレーサビリティ)の役割をするんですね。
4、まとめ: インダストリー4.0 とは、ドイツが進める設備の自律化
今回は、SNS もほとんどやらない私が初めて執筆するブログ記事という事で、テーマを何にするか悩みましたが、まずはドイツ装置メーカーの代理店らしく、今 Ersa が最も力を入れているインダストリー4.0 について書いてみました。
日本ももちろん工業製品製造では世界トップクラスの競争力を持っていますし、経済産業省が主導する Connected Industories というコンセプトもありますが、やはり250年前から続くドイツの産業革命には、参考にすべき事がたくさんあると思います。
同じ課題を抱えた国同士、そして世界の産業革命とともに100年を歩んできたドイツ Ersa の製品は、日本のお客様にもきっと役に立てると信じています!