i-CON TRACEとは。今なぜ、はんだごてにトレース(追跡)が必要なのか?(六車)

今回は、少し真面目にERSAの目玉商品、i-CON TRACEの概要についてご説明いたします。

 

 

 

 

 

最初に、今さら「何で今さらはんだごてを紹介するの」?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし考えてみると、電子基板を生産する現場でのはんだ付け工法の中で、唯一職人の経験や勘に相当量依存する、もしくはスキルに頼らざる得ない工法が、この「はんだごてによるはんだ付け作業」であるとも言えます。その工法は既に成熟したものとして、現代まで受け継がれてきました。

はんだごてのパイオニアERSAが開発した、最先端の IoT 対応はんだ付けステーション

時は1921年、ERSAの創設者であるドイツのErnest Sachs(エルンスト・サックス)は、世界初の電気式ヒーターをつかったはんだごての特許を出願しました。つまりErsaは、はんだごてのパイオニアであり、100年以上経った現在でも間違いなく世界最大のはんだづけ装置メーカーです。そのErsaが昨年 2021年に創業100周年を迎えるにあたり、創業原点である「はんだごて」をもう一度見直し、現代にふさわしい新製品を開発することに成功しました。それが、世界初のIOT対応はんだ付けステーションi-CON TRACEです。(実は弊社も数年前の設計段階から開発メンバーの一員として、本製品の立ち上げに携わっており、大変思い入れが一際高い製品になります。)

 

 

 

 

そもそもIOTってなに???

モノのインターネットと呼ばれる「IoT」。すべてのモノがインターネットでつながる=サーバーと情報のやりとりできる仕組みを示しています。既にご家庭の中にもWifi機能を備えた様々な家電が入り込んできているのではないでしょうか。これらはIoT家電、スマート家電と呼ばれます。サーバーに蓄積された無数のビックデータを活用してiPhoneのSiriやAmazonのAlexa、GoogleのOK Googleなど、機械に声で命令して指示をする音声認識が格段に進歩したこともIoT家電が一気に普及する要因となっています。

例えば、我が家にある共働き家庭にとっては大変便利な電子調理器「ホットクック」も調理が終わると音声で料理の仕上がり評価を毎回求めてきます。回答した評価情報はWifiを通じてサーバーにアップされ、ユーザーの嗜好を蓄積し、メーカーの新たなメニュー開発にも役立っているというわけです。

 

 

 

 

 

 

はんだごてにIoTを搭載したi-CON TRACE。一体何ができるのでしょうか。。。

そもそもトレーサビリティとは???

i-CON TRACEを語る上で欠かすことができないトレーサビリティ。でもトレーサビリティってそもそもどんな意味なのでしょうか。TraceabilityはWikipedia の英語版の第一文ではTraceability is the capability to trace something.(トレーサビリティとは、何かを追跡する機能)と明言しています。

製造業におけるトレーサビリティとは一言で言うと「製造した製品は、どのような原材料をつかって、どのような工程を経てできあがったかを、後追いができる、調査できる仕組み」のこと。製造者責任の重要な一つとも言えるこの仕組みは、すでに車載関連などでは、取引企業の保有する装置の必須条件とまでになってきており、トレーサビリティは今後ますます他分野にも裾野を拡がっていき、重要な位置づけになっていくものと思われます。

 

 

 

 

 

 

電子機器産業においては、冒頭でも説明した通り、はんだごてを使った手作業によるはんだ付けは、作業を標準化するための指示書等に基づき、経験と実績のある熟練の作業者が、あくまでマニュアルではんだづけを行うものでした。情報化社会が進んでいく中で、こうしたマニュアル作業、動作をネットワークの技術と連携して全てデジタルで記録、管理できるようになれば、作業者ごとのバラつきを極力排除したより高度な標準化ができるようになり、結果、不良の少ないより良い製品を製造できるようになります。そして随時デジタルで記録を残しているので、仮に何か問題が発生した際など作業工程を見直したい場合にも作業の追跡=Traceができるようになります。

The Missing Link

 

 

 

 

 

 

 

電子機器産業において、はんだごてによる手作業のはんだづけ工程だけが、こうした作業標準化、トレーサビリティができていなかった、すっぽり抜けていた。という意味を込めて、ERSAではこのことを「Missing Link」というキーワードで説明しています。i-CON TRACEはこれら電子機器産業の今まさに直面している、はんだ付け工法の中にある唯一の穴=Missingを埋めることができ、この穴を埋めることで、全てが繋がる=Linkするという意味を込めています。

i-CON Traceは、従来の手作業によるはんだ付けを大きく進歩させる革新的な製品ではないかと信じています。

今回はトレーサビリティを中心にi-CON TRACEのほんの触り部分をご紹介しました。i-CON TRACE1号機は8月末日本到着予定ですので、詳しい製品レビューは、その時にでも再度お知らせしたいとおもいます。

それでは今回はこの辺で。